皆さんこんばんは!
本日ご紹介するのは、ENEOSホールディングスです!
ENEOSってガソリンスタンドを経営している会社だよね!
そうですね!
でもENEOSグループが行う事業はガソリンだけではないんです!
へー!気になる!
他にどんな事業をやっているんだろう?
本日は、ENEOSホールディングスについて一緒に調べていきましょう!
この記事を読むとこんな事が分かります!
- ENEOSホールディングスの株主還元について
- ENEOSホールディングスの事業内容と業績
- 会社の経営成績や安全性はどこを見ればいいの?
まずは、気になる事業内容からご紹介します!出発進行!
事業内容
ENEOSホールディングスは、エネルギー事業と金属事業を展開し、開発・採掘から輸送、加工・販売までをトータルに行います。
事業ごとの主なグループ会社は次の通りです。
事業内容 | 会社名 | 特徴 |
---|---|---|
エネルギー | ENEOS | 国内でのガソリン・灯油などの販売シェアは第1位の50%越え |
石油・天然ガス開発 | JX石油開発 | 中東・東南アジア・米国など9か国で石油・天然ガスの開発 |
金属 | JX金属 | 電材加工の製品群世界シェア1位 |
エネルギーの供給や石油・天然ガスの開発は何となく分かるけど、金属事業ではどんなことをしているんだろう?
例えば、私たちが普段何気なく使っているスマートフォンの部品にも銅やレアメタルといった金属が使われています。
JX金属では、銅などの金属の採掘・精錬から電子素材への加工、使用済み電子機器からのリサイクルまでを行っているんですよ!
銅が使われている用途の一例
送電線、通信ケーブル、バッテリー、モーター、電子機器(スマホ、PCなど)
身近なところにも銅はたくさん使われているんだね!
銅が無いとこの世界は成り立たないね…
南米のチリにはENEOSグループが保有する鉱山があり、日本全体の輸入量の1割に相当する銅の原料が採掘されているんですよ!
それでは続いて、株主への還元に対する姿勢を見ていきましょう!
株主還元
株主優待
現在、株主優待は実施していません。
配当実績
1株あたり配当額(年間) | 配当性向 | |
---|---|---|
2022年3月期 | 22円 | 13.2% |
2021年3月期 | 22円 | 62.0% |
2020年3月期 | 22円 | -% |
配当性向って何?
会社が稼いだ利益の内、何割を株主への配当金に充てたかを示す指標で、次の式で求められます。
【配当性向】
1株当たり配当額÷1株当たり当期純利益×100
じゃあ、配当性向が高い会社は株主還元に積極的ってことだね!
株主への利益還元は配当だけではないんです。
新たにお店を建てたり、機械を調達する事も利益の大切な使い方です。
その結果、会社が成長して更に稼いでくれたら株主としては嬉しいですよね!
そっか!
「配当」と「成長に向けた投資」のバランスが大事なんだね!
MEMO
ENEOSホールディングスでは、
・現状を下回らない水準
・配当と自社株買いを合わせた総還元性向50%以上
を中期経営計画における株主還元の考えとしています。
では続いて、経営成績と財政状態を見ていきましょう!
【経営成績】収益性の分析
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
---|---|---|---|
売上高 | 10兆117億円 | 7兆6,580億円 | 10兆9,217億円 |
営業利益 | ▲1,130億円 | 2,541億円 | 7,859億円 |
経常利益 | ▲1,357億円 | 2,308億円 | 7,717億円 |
当期純利益 | ▲1,879億円 | 1,139億円 | 5,371億円 |
営業利益率
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 |
---|---|---|
-% | 3.3% | 7.2% |
営業利益率とは、売上高のうち、何割が営業利益として残るかを表した指標です。
営業利益率の高い会社は本業で効率よく利益を出せている会社です!
【営業利益率】
営業利益÷売上高×100(%)
自己資本利益率
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 |
---|---|---|
-% | 4.9% | 20.7% |
自己資本は株主からの出資金とそれを使って得た利益の積立です。
自己資本利益率は、株主から集めたお金を使って、どれだけ効率よく利益を出せたかを評価する指標です。
【自己資本利益率】
当期純利益÷自己資本(純資産)×100(%)
事業別の売上と営業利益、主な要因は以下の通りです。
事業内容 | 売上高 (%は対前期増減率) | 営業利益 (カッコは前期) | 要因 |
---|---|---|---|
エネルギー | 8兆9,350億円 (49.0%) | 4,775億円 (1,211億円) | 原油高による製品価格の上昇 |
石油・天然ガス開発 | 2,431億円 (116.3%) | 970億円 (前期28億円) | 原油及び天然ガスの価格上昇 イギリス事業の売却 |
金属 | 1兆2,930億円 (18.4%) | 1,582億円 (781億円) | 銅など金属価格の上昇 電子材料の販売好調 |
原油や銅の価格の上昇が好調な業績の要因のひとつなんだね!
ということは、赤字だった2020年3月期は原油や銅の価格が安かったのかな?
正解です!
2019年から2020年にかけては、米中貿易摩擦やコロナの感染拡大から景気の悪化が懸念され、石油や銅の価格が大きく下落したんです。
そのせいで油田や銅鉱山の権益や原油の在庫を多くもつENEOSホールディングスの業績が悪化したんだね。
【財政状態】安全性の分析
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
---|---|---|---|
総資産 | 8兆112億円 | 8兆588億円 | 9兆6,482億円 |
自己資本 | 2兆3,110億円 | 2兆3,251億円 | 2兆8,607億円 |
流動比率
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 【石油・石炭製品】 2021年中央値※ |
---|---|---|---|
105.9% | 113.6% | 131.2% | 113.6% |
返済期限が1年以内の負債に対する、1年以内に現金化できる資産の比率です。
支払期日が迫っている負債を返済できる能力があるか判断できます。
【流動比率】 流動資産÷流動負債×100(%)
自己資本比率
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 【石油・石炭製品】 2021年中央値※ |
---|---|---|---|
28.8% | 28.9% | 29.7% | 29.8% |
自己資本比率とは総資産のうち、借金以外の返済の必要のないお金の割合です。
会社の安全性(倒産リスク)を知る指標で以下の式で求めます。
【自己資本比率】
純資産÷負債純資産合計×100(%)
MEMO
短期の安全性を示す流動比率、長期の安全性を示す自己資本比率ともに、同業種の中央値とほぼ同じとなっています。
返済能力に今すぐの問題はなさそうですが、営業債権(商品は販売したがまだもらっていないとお金)と棚卸資産(商品の在庫)の流動資産に占める割合が多く、営業債権や棚卸資産の現金化が滞ってきたり、原油など資源価格が下落した際には資金繰りの悪化が予想されます。
2023年3月期の見通し
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
---|---|---|---|
12兆8,000億円 (17.2%) | 3,400億円 (▲56.7%) | 3,100億円 (▲59.8%) | 1,700億円 (▲68.3%) |
MEMO
前年度の原油高による利益、イギリス事業の売却による利益の剥落により、2023年3月期は増収・減益の予想です。
しかし、これらは一過性の要因で、実質的の収益性は改善の見通しとなっています。
まとめだよ!
まとめ
- ENEOSホールディングスは、エネルギー事業と金属事業を展開し、開発・採掘から輸送、加工・販売までをトータルに行う
- 株主優待は実施していないが、配当は自社株買いを合わせて総還元性向50%以上を計画
- 原油や銅の価格の上昇により、2022年3月期は増収増益
- 流動比率及び自己資本比率は、同業種の中央値とほぼ同じだが、営業債権や棚卸資産の現金化が滞ってきたり、原油など資源価格の下落に注意
- 前年度の原油高による利益、イギリス事業の売却による利益の剥落により、2023年3月期は増収、減益の予想。
以上、本日はENEOSホールディンスをご紹介しました!
最後までお読みいただきありがとうございました!
皆さんありがとうございました!
なお、当記事はこの企業の株式の購入を勧めるものではありません。
株式投資についてはご自身の責任と判断で行ってください。
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